学生の窓口編集部

写真拡大

タバコは体に悪い」という話は良く聞きますが、その他にも色々とデメリットがあるようです。どんなデメリットがあるのか、チェックしておきましょう。

今回は1日10本ペースの場合の費用・時間で試算してみました。

[1] 時間がかかる

タバコ1本吸うのにかかる時間は約4分。1日10本吸えば約40分(喫煙場所までの移動まで考えると約1時間)を使っていることになります。1日24時間ですが、睡眠時間7時間・食事2時間・風呂トイレ1時間を除くと、使える時間は約14時間。このうち1時間をタバコに使ってしまうと考えると、けっこう多くの時間がとられています。

[2] お金がかかる

2015年現在、タバコの価格は1箱20本入りで450円程度です。これを1日10本ペースで吸った場合、1ヶ月に15箱。1ヶ月約7千円、1年で8万円以上の出費になります。目に見える費用はこれだけですが、吸うのにかかる時間(1日1時間)の時給を1,000円とした場合、年間36万円。これに加えて、将来増える医療費まで考えると、けっこうなお金がかかります。

[3] 就職・昇進で不利になる可能性がある

日本ではまだあからさまに昇進に差が出ることはありませんが、就職面接で喫煙状況について聞かれることはあります。業種(健康・医療関連など)や職種(受付業務など)によっては、社員が喫煙していることは会社のイメージダウンや医療費などのコストアップにつながりかねないため、喫煙していることで評価が下がる場合があります。

[4] 入れる飲食店が限られる

レストランでは禁煙のお店が増えています。食事の途中で吸いたくなっても、我慢するか席を離れて喫煙所で吸うことになります。喫煙できるお店を選ぼうとするとお店が限られますし、タバコを吸わない人と一緒の場合、喫煙できるお店は嫌われる傾向にあります。

[5] 生命保険料が高くなる

喫煙しているから上乗せされるということはありませんが、生命保険の中には、「ノンスモーカー割引」や「ノンスモーカー保険」という商品が登場しています。タバコを吸わない人の方が病気になるリスクが低いため、保険会社は保険料を安くすることができるのです。

[6] 高学歴の女性・男性に、モテない

ちょっと不良への憧れがある10代の頃は、タバコを吸っているとカッコよく見えるかもしれません。でも、アメリカの調査では学歴の高い男性・女性ほど喫煙率が低いことがわかっています。また日本でも、非喫煙者の約8割は交際相手も喫煙しない人を選びたいという調査結果が出ています。つまり、高学歴な人ほど、タバコを吸っている人と付き合いたいと思う人の割合は、低くなっていると考えられます。

[7] 疲れやすくなる

タバコを吸うと、酸素を運ぶヘモグロビンの一部が使えなくなるため、体の中で酸素を運ぶ能力が低下します。これによって酸欠状態となると、貧血(ヘモグロビンが少ないことによって起こる酸欠)と同じような症状が表れ、集中力の低下や疲れなどがみられます。

[8] がんになりやすい

言うまでもなく、多くの研究で喫煙とがんの関係が報告されています。タバコでがんになるというと、肺やのど(咽頭)をイメージするかもしれませんが、胃や肝臓、子宮までほとんどのがんがタバコによって起こりやすくなります。車の排気ガスやPM2.5などより、はるかに高い発がん性を持っています。

[9] 見た目が悪くなる(薄毛・肌荒れ・口臭・歯の黄ばみ)

タバコを吸うことで血行が悪くなると、肌へ届けられる酸素や栄養素の量が減ってしまいます。これによって、新しい毛髪や肌を作る能力が下がり、薄毛や肌荒れの原因になってしまいます。また、タールによって歯が黄ばんだり、口臭が気になるようになります。特に唾液量が少ない人は、臭いがきつくなりやすいようです。

[10] 不妊のリスクが高くなる

タバコと不妊というと、女性の話しかと思うかもしれませんが、男性も同じです。タバコを吸うことによって、遺伝子が傷ついた卵子や精子が増えてしまいます。遺伝子の傷は蓄積されるため、今吸っていることが将来の不妊リスクを上げることになるのです。また、血行不良や酸欠、抗酸化ビタミン(A・C・E)が大量に消費されるため、体に栄養がいきわたらず、妊娠しづらい状態になります。タバコを吸っていると、不妊治療の成功率が低いことも知られています。

これを読んだ後でも「でも、タバコを吸いたい」と思う人は、既に「ニコチン中毒」になっているかもしれません。自分が中毒である自覚がないことが一番危険です。必要に応じて禁煙外来の手を借りるなどして卒煙しましょう。

(文/健康食品アナリスト 小浦ゆきえ)