左上から時計回りに門脇麦、長谷川博己、リリー・フランキー、菅田将暉

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映画『二重生活』が、2016年初夏に全国で公開される。

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小池真理子による同名小説を原作にした同作。大学院生の白石珠が、修士論文の執筆のために恩師の勧めで近所に住む既婚男性の石坂の尾行を始め、偶然に石坂の不倫現場を目撃したことをきっかけに、尾行という行為にのめりこんでいく様を描く心理サスペンスだ。

他人の秘密を知ることに興奮を覚え、石坂の尾行を繰り返す主人公の珠を演じるのは門脇麦。珠に尾行される石坂役を長谷川博己、珠と同棲中の恋人・卓也役を菅田将暉が演じるほか、珠の修士論文のためにソフィ・カルによる「哲学的・文学的尾行」の実践を勧め、珠が尾行を始めるきっかけとなる大学教授・篠原役にリリー・フランキーがキャスティングされている。

監督・脚本を手掛けるのは、NHKドラマ『ラジオ』で『文化庁芸術祭賞』大賞を受賞したほか、『国際エミー賞』にもノミネートされた岸善幸。『二重生活』は岸にとって監督デビュー作となる。また音楽を『殺人の追憶』や『レッドクリフ』シリーズなどで知られる岩代太郎が手掛ける。同作は、3月18日に都内でクランクインし、4月11日にクランクアップを迎えたとのこと。

■門脇麦のコメント
岸監督の作品は元々ドラマ『開拓者たち』と『ラジオ』を観ていて、いつか是非ご一緒したいなと思っていました。こんなに早くそれが実現するとは思っていなかったのでとても嬉しかったです。
元々ドキュメンタリーを撮っていた監督とチームですし、役を演じるという感覚を捨てて、そのままでいた方が面白く化学反応するのではないかと思い、自分の中に漠然とある役を演じる時のスイッチみたいなものを今回は捨てて臨みました。いつもの日常がそのままカメラ前でも続いてるような感覚がずっとあり、とても不思議な、でも居心地のいい現場でした。
私は、あるきっかけから尾行をする役なのですが、観ている観客の方もそのシーンを覗いてるような、さらに尾行している珠のことも二重に覗いているような、そんな感覚になるのではないかなと思います。

■長谷川博己のコメント
岸監督は、どう撮りたいとかガチガチに固まっているわけではなく、その場の状況と俳優の呼吸みたいなものを監督がみてくださって、どんな演技につなげるのか監督の指揮の元に僕たち俳優がやってみるという感じでした。演技は演技なんだけどドキュメンタリーのように見せる演技というか、いろんなものをそぎ落として二人の間から生まれてくるものを活かすというか…。そういう意味では自由な空間で、逆にその自由がすごく難しく感じる時もありました。監督は、僕がどういうところで悩んでいるかを話すと、ものすごく的確にとらえてくれて、その都度「こうしてみたら」とどんどん提案してくれる。でも答えはくれない。なかなかサディスティックな厳しい方だなと感じました。
石坂ってある意味諦めているところがある人物で正直違和感もありました。演じる中で、石坂の気持ちがわかってくればいいのかなって思いながら演じていましたけど。出来上がってみてどういう風になるのかまだわからないですけど、今までのいろんな現場とは違う心地でやれる現場でしたね。

■菅田将暉のコメント
台本を最初にいただいたとき、物語がすごく“今”な感じがして、素直にやりたいなと思いました。岸監督の現場はめちゃくちゃバイオレンスです。現場に入って、ほぼ段取り無しで撮影、本番。この作品は現場に入ってみてすぐ撮って、もう一回、そこからまた少し修正してというドキュメンタリーに近いくらいの匂いがいいなと僕も内心思っていたので嬉しかったです。
相当のチャレンジャーですよね。こんな経験初めてでした。もちろんプレッシャーはありました。自由にやったものを撮りますっていうスタンスですから。
監督は必ず何かを期待して撮ってくださるので、なかなかカットもかからない。
でもそれでいいものが生まれたりもしますし。それは役者からするとすごくありがたいこと。岸作品に関して言えば、それが面白いんだなと。振り返ればすべてが初めての方法で毎日胸がキュンキュンしてドキドキしっぱなしでした。

■岸善幸監督のコメント
人には誰でも他人の人生を覗いてみたいと考える欲求が存在します。
全くの他人を尾行することによって自分の人生と重ねあわせるという本作のモチーフに非常に魅力を感じました。本作の登場人物の全てに二重、三重の心理があります。
彼らを通じて“今”を切り取りたいと考えております。