IT関連のベンチャー企業のIPOが悲惨なワケ
ニュースをまとめて配信するアプリを作っているGunosyが4月28日にIPO(Initial Public Offering)する。株式市場が好調な今年は新規上場が多数予定されているが、新規公開株はどのような動きをするのか。’12年以降に上場したベンチャー企業の初値(上場後、市場で初めてつく株価)を検証してみた

◆派手なIPOは眺めるに限る(人気ブログ「金融日記」管理人 藤沢数希氏)

 情熱とアイデアを持った起業家に投資家が資金を出し、株式会社が生まれる。その起業家はハードワークを重ね、アイデアを着々と現実のものにしていく。

 会社の将来に目処がつくとさらに資金を調達するため、株式市場に会社を上場させる。こうして起業家や投資家は一夜にして億万長者になる。IPOは、資本主義社会の華だ。

 今回は、こうしたIPOの意味や株式投資について考えよう。上場まで漕ぎつけた起業家や投資家が、その持ち株比率に応じて一夜にして金持ちになる、というのは少しおかしな表現だ。

 本来、IPO前後で株の価値が変わるわけではない。上場すると株価が市場で毎日つくようになり、保有している株式の時価を正確に計算できるようになったり、持ち株を市場で売ることにより容易に現金化することができるようになるだけだ。

 実際にしっかりと儲けが出ていて新しい資金が必要なければ、上場しないほうがいい。上場すると監査や決算、広報活動など、最低でも年間数千万円のコストが発生するし、ハゲタカファンドに自社の株を買い占められるかもしれないからだ。

 もしIPOによって起業家や投資家が金持ちになるのならば、それは単に一般投資家が大株主たちにすっ高値で株を売りつけられた、ということになる。

 さて、今年は日経平均株価も高値で推移しており、大きなIPOがいくつも予定されている。そこで、過去にメディアで話題になったインターネット関連のベンチャー企業のIPOがどうだったのか分析することにしよう。

⇒【資料】はコチラ http://hbol.jp/?attachment_id=35529

 表は、’12年以降に上場を果たした、いくつかのベンチャー企業であるが、初値と比べて、現在の株価が大きく下がっているのがわかる。つまり、上場日に株を市場で買った投資家は、損をする可能性が高いのだ。

⇒【後編】『「派手なIPO」は傍観するに限るワケ』に続く http://hbol.jp/35524

【藤沢数希氏】
欧米の研究機関にて博士号を取得。その後、外資系投資銀行に転身。ブログ「金融日記」管理人。恋愛工学メルマガも発行する。cakesでは恋愛小説も連載中