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今年は「マッドマックス 怒りのデス・ロード」「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン」「ターミネーター:新起動/ジェニシス」とヒットシリーズの新作が次々公開される大作当たり年。

2015年に見ておくべき映画、厳選25本!【洋画編】

映画というのは文化や風習の違いを超え世界中の人たちに訴えかけるものですが、それゆえある種のパターンというか“あるある”が存在しており、ファンを魅了している。

今回はそんな”あるある”、とりわけアクション映画にありがちな例を偏りつつ見て行きましょう。

■1.必ず、仲間が事件に巻き込まれる

ひと口にアクション映画と言ってもその類型は様々ですが、まず言いたいのは主人公の「周りの人が巻き込まれがち」であることです。冒頭でタイトルの挙がった「マッドマックス」「ターミネーター」の第1作でも周囲の人たちが焼き殺されたり殺害されたりと、それはもう散々な目に遭ってます。巻き込まれる仲間とは裏腹に、主人公は、自ら災いに足をツッコんでるいるのに何故か無事・・・ある意味不死身だったりします。

■2.主人公の”家族”が殺されがち

さらにこの“あるある”には発展形として「家族殺されがち」というものあるある。そんな逆境から、主人公の能力が覚醒するのもさらにあるある。2作とも見事にこの2点を踏襲しアクション映画として王道を行っています。夏公開の新作はまだ観られていませんが、この辺りの匂いがプンプンします。

■3.原題は、大胆な日本語タイトルに変えられる

さて、作品タイトルというのはその映画の内容を簡潔に伝えたり、想像力を喚起してワクワクさせる重要なものですが、このタイトルにもよく見られる“あるある”が存在します。原題がいま一つ気分が出ない、日本語にすると意味が分かりにくい、そういった場合に「タイトル変えられがち」で、大胆な改題がなされるのです。

あの筋肉番長スタローンの代表作である「First Blood」が日本では「ランボー」として公開され、第2作以降は原題にも「Rambo」が付けられるようになったのは、邦題が生んだ代表的成功例と言えるでしょう。

しかし、よい例ばかりとは限らないのが世の常で、ツッコミどころ満載となっているのが「沈黙の戦艦」に始まる「沈黙シリーズ」。スティーブン・セガール主演作にはこの「沈黙の〜」が冠されることが多いですが、そもそも原題には「沈黙の〜」なんて一言も入ってませんし、作品同士の関連もありません。

共通点としては、ただセガールが主演しているというだけです。他には3部作で完結しているのに、違う作品に無理やりタイトルを後付けして5部作みたいにしてしまったチャック・ノリス主演「地獄のヒーロー」シリーズもあります。まだ若い時分にこれらの事象と遭遇した私は、“大人の事情”と言われることの意味を何となく理解しました。

■4. 主人公は家庭に問題があり、子どもに冷たくされがち

そしてこういったアクション俳優のみなさんは生涯現役!とばかり今もアンチエイジングに活躍中。なのですが高齢化も進んでいるため、年相応に映画の中で家族問題が描かれることも少なくありません。

その場合、銃を持ったらスーパーマンでも、家庭においては肩身の狭い思いをしているケースがほとんどです。しかも離婚寸前、あるいはもうしてしまっていたり、「家庭に問題抱えがち」で「子どもに冷たくされがち」だったりします。

前述のスタローンも「ロッキー」シリーズや「オーバー・ザ・トップ」では息子に真正面からぶつかり親子の絆を回復していましたが、近作「バレット」では年頃の娘に気が気でない様子でした。しかも、この手の娘は大抵美人と来ていますから、余計にお父さんをやきもきさせます(綺麗な娘に、お父さんやきもきしがち)。人気テレビシリーズ「24」でも、やっぱり親娘の関係は微妙な感じでした。

そしてやはり綺麗な娘というのは目につくのか標的にもなりやすく、当然「周りの人が巻き込まれがち」で「家族殺されがち」となる訳です。すると「続編作られがち」で新たなアクション映画を生み出す無限ループ構造となり、こうなるともう“あるある”が先か、アクション映画が先かという、鶏が先か卵が先か、みたいな話になってきます。

■5.教訓が活かされず、似たような事件に巻き込まれてしまう

シリーズものでは特に「ダイ・ハード」シリーズに顕著ですが、「教訓が活かされず似たような事件に巻き込まれがち」というのもあります。

さて、ここまで見てきた“あるある”がふんだんに盛り込まれた作品が、最近ではリーアム・ニーソン扮する元CIA工作員が暴走オヤジと化し家族の救出に奔走する「96時間」シリーズです。まずこの「96時間」というのがそもそも邦題で、原題は「Taken」。

訳すと「誘拐」といったところでしょうが同名の作品がありますし、「テイクン」とカタカナ訳ではよく分かりません。なので、本作では第1作で語られる“誘拐事件の被害者が無事でいると考えられる猶予期間”からタイトルが取られていて、「First Blood」→「ランボー」のように、とっつきやすい題名となったことでアクション映画ファン以外にも広くアピールするヒット作になったのだと考えられます。

よって「タイトル変えられがち」が当てはまりますが、これは成功例と言えるでしょう。

3部作のシリーズ中、第1作では娘、第2作では元妻と順にさらわれていて、「周りの人が巻き込まれがち」な点もばっちりふまえています。そしてここまで来るとイヤな予感がするものですが、やはり第3作の「96時間/レクイエム」では哀れ、この元妻が殺害されてしまいます(前作で頑張って救出したばかりなのに)。

さらに他にも「家庭に問題抱えがち」「家族殺されがち」で「教訓が活かされず似たような事件に巻き込まれがち」「綺麗な娘にお父さんやきもきしがち」も踏まえている本シリーズは、もはや“あるある優等生”と言うことができるでしょう(笑)。

■6.オープニングから大がかりな撮影でド迫力!

製作と脚本は「グラン・ブルー」や「レオン」でおなじみのリュック・ベッソンが担当しており、彼の作品によく見られる、舞台の街を大がかりに空撮でとらえたショット=“リュック・ベッソンあるある”もオープニングから炸裂しています。

■7.忘れた頃に続編が帰ってくる

そして最後にもう一つ重要な“アクション映画あるある”である「忘れた頃に続編帰ってきがち」とばかり、今年は冒頭で挙げた様々な作品が夏に公開。

「96時間」シリーズも3部作で完結と思いきや、第3作で名優フォレスト・ウィティカー演じる刑事がリーアム・ニーソンと「ダイ・ハード」のマクレーン&パウエル巡査部長を思わせる関係を育んでいましたから、第4作にやぶさかでない感じです。

他にも「チャッピー」「ナイト・クローラー」「トゥモローランド」と、“あるある感”漂う話題作が公開待機中。

純粋にスペクタクルとして楽しむのはもちろん、こうした“あるある”的斜め目線で鑑賞しても、「いやぁ、映画って本当にいいものですね」と、きっと楽しむことができるでしょう。