<資料>
 円安は3月の122円で終わったのか、それともまだ続いているのか。ドル/円で見るとそれは悩ましいところだが、円の総合力を示す実効相場で見ると、少し違った印象になる。円安は昨年12月初めで一段落し、すでに昨年10月末、黒田日銀の追加緩和のところまで円高に戻してきた結果となっている<資料参照>。

※<資料>はコチラ⇒http://hbol.jp/?attachment_id=36215

 ちなみに、昨年10月末、第2次黒田緩和でドル高・円安も大きく進んだが、この日のドル/円終値は112円。足元ドル/円が120円近辺で推移していることとかなり差がある。こんなふうに見ると、円の総合力とドル/円では、円高への戻りに大きな差が開いた形になっていることがわかりやすいのではないか。

 この差はユーロ/円を筆頭としたクロス円の影響が大きいだろう。ユーロ/円などクロス円の多くは、昨年12月初めが円安のピークで、その後はかなり円高となっている。その結果、ドル/円の印象以上に、円の総合力は円高に戻した形になっているということだろう。

 別な言い方をすると、ドル/円以外の通貨ペアでは、円安は終わり、すでにかなり円高になっている。これは、ドル高・円安の終わりを先取りしたものか、それともドル高・円安が終わらない限り、総合的にも円安は実はまだ終わっていないのか。

 それに対する回答は、少なくとも1990年代後半以降の経験からすると後者。つまり円実効相場の円安のピークが、ドル/円の円安のピークに極端に先行した例はない。基本的には、ドル/円の円安が終わらないと、総合的な円安も終わらなかった。

 その意味では、まだ総合的な円安の終わりも微妙ということになる。それとも、今回は総合的な円安の終わりが、ドル/円の円安の終わりを先取りする異例の展開となっているのだろうか。(了)

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【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、投資情報会社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など

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