多くのエコノミストが今年は株価が2万円を超えて上昇していくと予測する中、株式投資に躍起になっている人が多いと思いきや、そうでもないようだ。「金」投資を考え始めている投資家が増えているという。

 なぜいま金を持つべきなのか。まずは、日本経済に対するリスクヘッジだ。

 ICBCスタンダードバンク東京支店長の池水雄一氏は、日銀の金融緩和政策に懸念を抱いている。

「日銀は金額にすると、FRBと同額ぐらいのお金を国債を買うことでばらまいていますが、日本のGDPは米国の約3分の1にすぎない。日本株ETF(上場投資信託)も買っているのだから、それは株価も上がりますよ」

 として、こう語る。

「日銀は金融緩和縮小に転じたときの“出口戦略”をどうするのかが見えないから、恐ろしい。日銀の大量の買いが止まれば日本国債が売られて円に対する信頼がなくなり暴落する“悪い円安”になるかもしれない。そういったときのために金を買っておくのは正解でしょう」 ちなみに、14年の金生産は過去最高の3114トンで時価換算は14兆円。日銀が昨年10月に発表した追加緩和の長期国債の買い入れペースは年間80兆円だ。どれだけじゃぶじゃぶに緩和しているかがわかる。

 日銀だけではない。欧州など世界各国もばらまきに動いている。

 金融・貴金属アナリストの亀井幸一郎氏が言う。

「通貨は刷れば刷るほど価値が薄まります。緩和が進むほど相対的な金の価値は上がる。世界で中央銀行制度ができてから、こんなにお金を刷っている時代はない。中央銀行の仕事はいかにインフレを防ぐかだったはず。それが反対のことをしているのです」

週刊朝日 2015年5月1日号より抜粋