読者賞は昨年2014年に他界した東江一紀に贈られた。代理として教え子の布施由紀子が賞状を受け取る

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第一回日本翻訳大賞授賞式も中盤に差し掛かり(前半のレポートはコチラ)、いよいよ贈呈式となった。大賞を受賞した阿部賢一/篠原琢の『エウロペアナ』コンビ、ヒョン・ジェフン/斎藤真理子の『ストーナー』で読者賞を受賞した東江一紀は、残念ながら昨年2014年に他界している。そのため、代理として教え子の布施由紀子が賞状を受け取った。師匠に対する愛と尊敬に満ちたスピーチは、この日の1つのハイライトであった。

ここで、冒頭に登場したバンドが再登場。訳者による作品の朗読が始まった。

まずは『カステラ』は、ヒョン・ジェフンによる表題作の朗読。同じ箇所をまずは日本語で、続いて韓国語で、と二段構えで聴かせる。韓国語がわからなくても「おそらくここはあの部分なのだろうな」と想像しながら聞くのが楽しい。そして、朗読にギターを重ねる西崎の嬉しそうな表情を見ていると、思わずこちらも笑みが浮かんでしまう。

そして、いよいよ受賞者を交えてのトークタイムである。どちらの作品も共訳ということになると、まず気になるのは「どうやって訳したか」であろう。

『エウロペアナ』は、1冊を前半・後半に分け、半分ずつ翻訳を担当したと明かされた。そして、お互いに赤を入れ合い、リフレインする箇所を統一する作業などを経て、じつに10年がかりで完成した。「言った」or「述べた」というような語尾の好みをめぐる議論では、緊張の走る場面もあったという。

また、