IBMが夢見る、スタートアップたちとの「すてきな共創」

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アイデアはあるが、それを実現させるための技術や知識が足りない。そんな若い才能たちに、IBMは、自らのもつ知識と技術を提供し続けている。彼らが考える、スタートアップやその他多くの中堅中小企業との「共創のかたち」とは。米IBMの中堅中小企業ビジネスの責任者、ジョン・メイソンに訊く。

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JOHN MASON|ジョン・メイソン
米IBMで、中堅中小企業向けビジネスの責任者。5月22日に日本で行われるMSP/クラウド事業者のためのカンファレンス「IBMクラウド・ビジネスフォーラム 2015」に参加予定。

“新しい旅”をつくり出そうとしているのは、Airbnbだけじゃない。KayakTravelocityといった旅行サイトを立ち上げてきたテリー・ジョーンズが新たにつくったスタートアップ「WayBlazer」は、これまでとはまったく違った行き先の探し方を提供する。

「今日はジャズを聴きたいな」「夏に出かけるならどこがいい?」。そんな話し言葉を打ち込むだけで、WayBlazerは目的に合った行き先を教えてくれる。さらにこのシステムは個々のユーザーの好みを学び、使えば使うほどより精度の高い提案をしてくれる。言うなれば、自力では見つけることのできなかった、でも自分の感性にぴったりと合った目的地を教えてくれる“コンシェルジュ”なのだ。

WayBlazerは、いまのところは一般向けではなくB2Bのサーヴィスだ。例えば、彼らの最初の顧客はオースティンの旅行会社Austin Convention & Visitors Bureauで、WayBlazerのシステムを使いオースティン観光客向けのウェブサイトをつくっている。

新たな旅の見つけ方を提供する以外にも、WayBlazerにはもうひとつおもしろい点がある。そのサーヴィスを可能にしているのが、IBMの人工知能「Watson」であることだ。

WayBlazerのように、企業のIT部門に代わって、あるいは補完するようなサーヴィスをクラウドで提供する事業者は「MSP(Managed Service Provider)」と呼ばれている。そして、IBMが彼らMSPに提供するのが、グローバル・カンパニーとして世界各国でMSPを支援してきた幅広い技術力だ。

「アナリティクス、モバイル戦略、セキュリティ、オープンデヴェロップメント。企業が直面するこれらの課題を解決するために、IBMは、わたしたちがもつ見識と能力、専門的な知識と技術を提供しています」

そう語るのは、米IBMの中堅中小企業ビジネス責任者、ジョン・メイソンだ。提供するといっても、彼らにとってMSP は、ただ単にIBMのサーヴィスを買ってもらう顧客ではない。「MSPは、わたしたちと信頼関係を結ぶパートナーです」と、メイソンは言う。「この取り組みの成功は、MSP企業の成功にかかっているのです」

優れたアイデアをもつスタートアップはもちろん、どんな企業でも、IBMが得意とするクラウドサーヴィスやデータ分析ツールを活用することで、その価値を高めることができるとメイソンは言う。実際、WayBlazerのほかにも、健康管理のためのウェアラブルデヴァイスを開発する「FitBit」、広告分析システムを手がける「nViso」、モバイル分野のサーヴィス・プロヴァイダー「SiteMinis」と、IBMのテクノロジーを活用するMSPはさまざまだ。

「伝統的な企業には、さらなる成長の可能性を。若くて小さな企業には、市場での知名度と信頼を。あらゆる大きさのあらゆる業種の企業が、より価値のある解決策を手に入れることで、そのビジネスを進化させることができるでしょう」

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テクノロジーの進化によってアイデアを実現させるためのハードルはかつてないほど低くなったが、IBMとMSPのパートナーシップは、この流れをさらに加速させるものだ。そしていまほどMSPにとってアドヴァンテージのある時代はないと、メイソンは考えている。

「クラウド、アナリティクス、モバイル、ソーシャルの4つの分野における変化がいま、まったく新しいビジネスモデルをつくることを可能にしています。これらのテクノロジーが、かつては圧倒的な壁が立ちはだかっていたために難しかった新規ビジネスの参入、巨額な資金が必要だったビジネスのスケールアップを、より速く、より簡単に行うことを可能にしているのです。

現在、クラウドコンピューティングによってこういった壁はもはや存在しなくなり、革新的なアイデアをもつ企業には増々大きな可能性がもたらされています。クラウドとモバイル、ソーシャルが生み出す大量のデータとその分析によって得られる新たな視点によって、どんなに小さい企業であっても、既存の産業をひっくり返し、かつては想像もできなかった方法で価値をつくり出すことができるようになったのです」

そんなこれからの未来をつくっていくイノヴェイティヴな企業と、IBMは今後もパートナーシップを築いていくつもりだ。5月に開催されるMSP向けのカンファレンス「IBMクラウド・ビジネス フォーラム 2015」は、IBMとMSPが、どんな共創を生み出すことでその価値をマキシマイズできるかを考える場となる。WayBlazerのような、MSPの成功事例も紹介されるという。

そしてそのカンファレンスのために、アメリカからメイソンも来日する予定。彼が日本の企業に期待することとは?

「日本の企業には、クラウドとデータが生んだこの歴史的な変革期のチャンスを、ぜひつかんでもらいたいと思います。テクノロジーについてただ語るだけではなく、それぞれのビジネスに耳を澄ませ、そのチャレンジを解決するためにいかにテクノロジーを活用できるかを考えていかなければいけません」

資金がなくても、知名度がなくても、優れたアイデアさえあればイノヴェイションを起こすことは可能である。あらたなビジネスを開拓しようとするMSP各社とそれを支えるIBMとのパートナーシップのあり方は、それが夢物語ではないことを教えてくれているのだ。

IBMクラウド・ビジネス フォーラム 2015

・日時
2015年5月22日(金)
14:00〜19:50(受付開始:13:30〜)
※セッション終了後、18:20よりネットワーキング・パーティーを開催。

・会場
虎ノ門ヒルズフォーラム5階
東京都港区虎ノ門1-23-3

・主催
日本アイ・ビー・エム株式会社

・対象
クラウドやインターネット関連のサーヴィス・プロヴァイダーやシステム・インテグレーター、ソフトウェア・ヴェンダーの経営者および事業責任者、サーヴィス企画に携わる責任者の方々。

・参加費
無料

・申し込み方法
こちらのフォームより。事前登録制。

・お問い合わせ
IBMアクセスセンター/TEL:0120-300-426
受付時間 9:30〜17:30(土、日、祝日を除く)
※お問い合わせの際は、「IBMクラウド・ビジネス フォーラム 2015の件」とお申し付けください。