「ものすごい衝撃があって、機内では酸素マスクが降りてきました。一時は死も覚悟しました」(乗客)

4月14日午後8時ごろ、広島空港に着陸を試みたアシアナ航空機が滑走路手前の着陸誘導装置に接触し、車輪を破損、滑走路を大きく逸脱して停止した。死者は出なかったが、27人が軽傷。航空評論家の青木謙知(よしとも)氏が言う。

「パイロットが2つのミスを犯したため事故につながったと推察されます。着陸が難しい状況なのに着陸をやり直さなかった判断ミスと、適切な進入角度を保たなかった操縦ミスです」

ここ10年、アシアナはトラブルが相次いでいる。現役パイロットが言う。

「ライセンスを取得している以上、技術的には問題ないと思うが、韓国の航空会社は元空軍パイロットが多い。軍隊は階級がすべてなので、機長の権限は絶対。命令口調も多く、民間で育ったパイロットとの間で軋轢が生じやすい。昨今は乗務員全員がチームになって運航するから、そんな軍出身パイロットは浮いてしまう」

意思疎通を欠き、安全運行に支障が出ているのだ。アシアナは’93年に韓国で死者68人という墜落事故を起こした。その後、比較的安全運行をしてきたが、’05年の大規模スト以降、トラブルが多発するようになった。

韓国に詳しいジャーナリストの室谷克実氏が指摘する。

「このストのとき、パイロット側は年間飛行時間を100時間減らせ、昇級試験の英語テストを簡略化しろ、飛行前の薬物・飲酒検査を中止しろ、ホテルにゴルフセットを用意しろ……などとわがまま放題でした。あまりの勝手ぶりに、客室乗務員側が反発。『自動操縦なんだし、ゴルフをしなければ楽でしょう』と異議を申し立てたのです。するとパイロット側は『俺たちは国家資格を持っている。コーヒーを出す研修しかしてないお前らとは違うんだ』と反撃し、仲間割れを起こしました」

これ以降、アシアナの社内はぎくしゃくしたままなのだという。

「今年2月にも、ビジネスクラスでゴキブリや使用済みの靴下が発見され、評判を落としました。機内清掃もいい加減なのかもしれません」(室谷氏)

韓国では、航空業務手がける公務員が、大韓航空とアシアナ航空に座席のグレートアップを強いているとの報道もある。社内はぐだぐだで、監督省庁もいい加減。この結果、ドイツが公表した安全度ランキング(’14年)で、アシアナは世界60社中46位。今回の事故をきっかけに早急に安全性を見直してほしい。

(週刊FLASH5月5日号)