日本人とFX、「FXブーム」は新時代を迎えたのか
 今から約10年前、2004年3月、当時のFRB議長だったグリーンスパンは、こんなふうに発言しました。

「日本政府が異常な為替介入を行っている」

 当時、日本政府は約1年間で40兆円の円高阻止の為替介入を行っていました。そのうえで、グリーンスパン議長は、こんなふうに述べました。

「日本政府が異常な介入を行っているのは、異常な円高だと思っているからだろう。では、異常な円高であるなら、その原因は何か。私は円バイアスではないかと思う」。

 そのうえでさらにこんなふうに続けたのです。

「世界中の投資家が為替リスクに慎重になって自国資産中心に運用するものだが、ただ日本人ほど為替リスクに臆病な人種は知らない。日本人が世界一為替リスクに臆病で、円ばかり買っているから異常な円高になり、異常な介入が必要になっているのではないか」。

 改めて確認しますが、これは2004年の発言です。ところが、歴史的には2005年から日本においては「FXブーム」になりました。それを象徴した「ミセス・ワタナベ」という言葉は、実は2006年に一般化したのです。

 なぜ、2004年にグリーンスパンから「世界一為替リスクに臆病な日本人」とされたのが、ほんの1-2年で「世界で類を見ないFXブーム」を起こしたのでしょうか。答えなどあるはずもないでしょう。ただ、想像できるのは、為替相場の基調転換でしょう。円高は2004年末で終わり、2005年から円安が始まったのです。

 そもそも、1973年からの変動相場移行後は長期円高(外貨安)の歴史でした。その意味では、「為替リスクに臆病な日本人」は当然だったのではないでしょうか。そんな日本人も、中期円安に転換しただけで「FXブーム」となったわけです。

 さて、2011年11月からの円安は、中期的な円安にとどまらず、長期円高から円安への転換といった見方もありました。その見方が正しければ、為替は長期的にはリスクではなく、チャンスへ転換したことになります。それなら、日本人は、長期的に為替チャンスをとる人が増える時代に変わり始めている可能性があるのではないでしょうか。(了)

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【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、投資情報会社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など

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