日経平均株価はついに2万円の大台に乗せた。ITバブル以来、実に15年ぶりの快挙だ。ここから買える銘柄はあるのか。専門家に聞くと、狙い目は、今年度に過去最高益を更新する可能性が高い銘柄だという。

 楽天証券経済研究所チーフ・ストラテジストの窪田真之さんに著名な企業から選んでもらった(下の表)。14銘柄中6銘柄が自動車関連だ。事業環境が良好なうえ、株価も割安だという。

「円安、資源価格の下落、米国経済の好調とトリプルメリットが作用している。世界トップシェアのトヨタ自動車はもちろん、マツダや富士重工業も海外のカーマニアから高く評価されていて、人気が極めて高い。いすゞ自動車も、新興国で小型トラックが大人気です」(窪田さん)

 自動車以外では、技術やビジネスモデルなどで独自の強みを持つ企業を薦める。

 たとえば、東レ。鉄よりも丈夫で軽いものの、硬くて加工が難しい炭素繊維でリードしている。ボーイング787型機の機体に採用されるなど実績も高い。これからは自動車のボディーにも用いられる見込みで、「中長期的な成長が期待できる」(同)。 流通ではセブン&アイ・ホールディングスに注目。

「販売データを重視し、売れない商品は販売スペースを縮小・撤去。新商品をつねに入れ、売れればスペースが拡大するというビジネスモデルで他社を寄せつけません。淹れたてコーヒーなど、打つ手がことごとくヒットしています」(同)

 ネット系では、スマホ向けのゲームアプリが大ヒット中のミクシィ。ゲーム株は浮き沈みが激しく、人気のピークが過ぎると株価が割安に放置されがちだ。しかし、「スマホはまだまだ普及し続けるし、ミクシィもいっそうの増収増益が見込まれる」(同)。

 単にアベノミクス頼みではなく、独自の強みで過去最高益記録を塗り替える企業を買って、自分史上最高のリターンを大いに期待したいところだ。投資はくれぐれも自己責任で。

◇窪田さんが注目する新年度最高益見込みの企業14社
証券コード/企業名/株価(円)/好業績の背景は?
3402/東レ/1003/合成繊維の最大手。加工が難しい炭素繊維で競合をリードし、ボーイング787の機体にも使用される
7203/トヨタ自動車/8326/ハイブリッド車で圧倒的にリード。燃料電池車でも先手。円安も追い風だが、改善を重ねる企業努力も原動力
7261/マツダ/2330/カーマニアからも高く評価される自動車作りで、海外市場でも大いに人気を博している。ガソリン車の燃費改善に関しても最先端の技術力を誇る
7270/富士重工業/4006.5/カーマニアが熱狂する車種を投入し、特に米国市場で高い支持を獲得。国内では自動車の安全装置でも強みを発揮。マニアのみならず一般的なドライバーの心もつかむ
7202/いすゞ自動車/1579/国内とタイに生産拠点を持っており、海外販売にも強い。新興国ではピックアップと呼ばれる小型のトラックが人気を集めている
5108/ブリヂストン/5033/円安、資源価格の下落、米国経済好調といったトリプルメリットを受けて、業績が順調に拡大中
5802/住友電気工業/1604/自動車向けワイヤーハーネスではトップ級。太陽光や風力の発電設備に欠かせない蓄電池の高い技術力も有する
6902/デンソー/5567/自動車部品メーカー。自動車の電装化で1台当たりに用いる電装部品の点数が格段に増えていることは追い風
6594/日本電産/8033/ハイテク機器のみならず、自動車や家電、建設機械、産業機械などにも精密モーターのニーズが拡大している
3382/セブン&アイ・ホールディングス/5375/コンビニ業界で1強の様相。海外でも成長を続ける。強みは販売データを重視して需要密着の商品開発をしていること
6503/三菱電機/1512/FA(工場の自動化)で世界トップクラスの技術力。設備投資の動向にかかわらず、自動化・省力化の需要は高い
9433/KDDI/2852.5/NTTドコモが苦戦しているのとは対照的に、地味ながらも堅実にシェアの死守・拡大に注力し、相応の結果を残してきた
6988/日東電工/8027/液晶用光学フィルムからバイオ・医療まで多方面において高度な製品を供給。特にニッチな分野でトップシェアを多数獲得
2121/ミクシィ/4710/ゲームアプリ「モンスターストライク」が空前のヒットを記録し、利益に大きく貢献している。スマホはまだまだ普及の余地があり
※株価は4月10日の終値

週刊朝日  2015年4月24日号より抜粋