家族向きの優待品といえば、みんなで利用しやすい食事券や食品。優待の中で最も人気があるジャンルだ。低予算で購入できる銘柄を、三井智映子さんに選んでもらった。

株式アナリスト 三井智映子先生

株式アナリスト
三井智映子先生

みつい・ちえこ 早稲田大学政治経済学部出身。金融・株式情報をわかりやすく伝える金融情報会社フィスコのリサーチレポーター。最新刊『ゼロからはじめる株式投資入門』。

◎ライフスタイルに合った優待株を選びましょう

 現在、上場企業で株主優待を実施している企業は1000社以上。膨大な数の中から、どんな優待企業を選ぶべきなのか?
「どんなに優待利回りが高くても、使わなくては、意味がありません。そこで、普段から利用しているお店や、頻繁に購入する食品を提供してくれる優待株を選ぶことが、まずは大切です」

 さらに、三井さんによると、自分が行動する生活圏内で使えるかどうかもポイントだという。優待を利用するのに交通費がかかってしまっては、お得度も半減してしまう。

 そうした点を考慮すると、クオカードなど、様々な場所で使える商品券の優待も利便性が高く、おすすめだとか。

「私が提案したいのは、パパだけが独り占めしないで、家族みんなで優待を利用するということです。例えば、外食系の優待で、家族全員で食事をすれば、単なる割引だけのお得にとどまらず、みんなに感謝されることでその価値が何倍にもなるはずです」

◎効率よく優待を得る方法。夫婦で優待株を持つ

 単元株数が100株の優待株の場合、100株でもらえる優待と200株でもらえる優待が変わらないケースが多い。したがって、優待を目的とするなら100株だけ保有するのが賢明だ。では、その優待をもっともらいたい時はどうするか?

 100株ずつ分けて購入したり、別の証券会社で100株買ったりしてもダメ。株主の名簿で名義をチェックされてしまうため、結局、200株保有していることが判明してしまう……。

「名義を分散するという手があります。例えば、夫婦それぞれで自分の証券口座を作って、その銘柄を100株ずつ購入すれば、合計200株で2倍の優待が受けられます。やはり、優待株投資は、優待が得られる最低単元株で行なうのが基本です」

 また、両親や子供の証券口座を作り、優待株を購入すれば同じ効果が得られるが、贈与税がかかる場合があるので、要注意。

《外食系》

おなじみの外食チェーンの株主優待は、店舗で使える食事券が多い。「投資金額に対する食事券の額面は比較的高いので、人気があり、優待株投資がブームとなってから株価が大きく上昇した銘柄が目立ちます」(三井智映子さん。以下同)。そんな中、まだまだ割安でお得な銘柄を探してもらった。

年間1万2000円分という優待金額の高さが魅力
■ワタミ

ワタミ ワタミ

株価(単元株数):1420円(100株)
最低投資金額:14万2000円
権利確定日:3月末・9月末
配当利回り:1.06%
優待利回り:8.45%

年2回の権利確定ごとに、6000円分(500円券12枚)の食事券を提供。「和民」「坐・和民」「わたみん家」「GOHAN」「TGI フライデーズ」ほかで利用可能。食事券は飲食1回につき1人2枚まで使うことができ、金・土・祝休日の前日およびランチタイムには利用できない。有効期間は6か月間。

ファミリー向けレストランでも使える無料飲食券
■テンアライド

テンアライド

株価(単元株数):327円(100株)
最低投資金額:3万2700円
権利確定日:3月末・9月末
配当利回り:0.00%
優待利回り:6.12%

100株の保有で、年2回の権利確定ごとに1000円分の無料飲食券(500円券2枚)を提供。「旬鮮酒場天狗」「テング酒場」「和食れすとらん天狗」「旬鮮だいにんぐ天狗」「ステーキ大作戦」ほかで利用可能。500〜1000株未満では年間1万円分、1000株以上では2万円分の無料飲食券がもらえる。

グループ各店で使える食事券が年間2000円分もらえる
■ゼンショーホールディングス

ゼンショーホールディングス ゼンショーホールディングス

株価(単元株数):1022円(100株)
最低投資金額:10万2200円
権利確定日:3月末・9月末
配当利回り:1.57%
優待利回り:1.96%

100株の保有で、年2回の権利確定ごとに1000円分の食事券 (500円券2枚)が送られてくる。利用対象店舗は、「すき家」「なか卯」「ココス」「ビッグボーイ」「華屋与兵衛」「はま寿司」「牛庵」ほかグループ各店で使えて便利。300株以上保有で年間6000円分、500株以上は同1万2000円分が送られてくる。

ミスタードーナツでも使える優待券が年間2000円分
■モスフードサービス

モスフードサービス モスフードサービス

株価(単元株数):2208円(100株)
最低投資金額:22万800円
権利確定日:3月末・9月末
配当利回り:1.00%
優待利回り:0.91%

全国のモスバーガーグループ(モスバーガー、マザーリーフ、あえん、chef’s Vなど)、およびミスタードーナツ(一部店舗除く)で利用できる優待券を、100株の保有で、年2回の権利確定ごとに1000円分(500円券2枚)もらえる。500〜1000株未満では年間1万円分、1000株以上は2万円分がもらえる。

とらふぐ料理のコースが1名分無料に
■東京一番フーズ

東京一番フーズ 東京一番フーズ

株価(単元株数):296円(100株)
最低投資金額:2万9600円
権利確定日:3月末・9月末
配当利回り:0.00%
優待利回り:8.03%

優待券をもらうには最低500株(投資金額は14万8000円)が必要。500株保有で、年2回の権利確定ごとに優待券が1枚。優待券は、「泳ぎとらふぐコース」1人前(5940円相当。優待利回りの対象)、「炭火焼きふぐ特別プラン(玄海)」1人前(夏季限定:4860円相当)、「お米選手権国際大会受賞者生産米2團僖奪」のいずれかと交換可能。

《食品系》

食品・医薬品メーカーの優待品は自社製品がほとんど。優待でしか手に入らない、限定オリジナル商品を提供するところもあり、固定ファンが多い。しかも「3月末と9月末に権利確定があると、お中元、お歳暮のシーズンに届いたりします。そんなところも優待の楽しみといえるでしょう」。

3000円相当の高級ロースハムがもらえる
■丸大食品

丸大食品

株価(単元株数):341円(1000株)
最低投資金額:34万1000円
権利確定日:9月末
配当利回り:2.05%
優待利回り:0.88%

権利確定は、9月末の年1回のみ。1000株以上の株主に対して、3000円相当の自社商品を提供する。写真は2013年度の優待品だった高級ロースハム。保存が利くハムは優待ファンの間でも人気の高い商品で、特に、同社のハムはボリュームがあると好評。

「ヘパリーゼW」が年間20本もらえる
■ゼリア新薬工業

ゼリア新薬工業

株価(単元株数):2491円(100株)
最低投資金額:24万9100円
権利確定日:3月末・9月末
配当利回り:1.20%
優待利回り:2.08%

100株の保有で、年2回の権利確定ごとに、同社の肝臓エキス・ウコンエキス配合ドリンク「ヘパリーゼW10本セット」がもらえる。1000株以上の保有で、「アルミ缶入りドリンク詰め合わせ・ヘパリーゼWセット」「コンドロビー濃縮液 潤甦 2本セット」ほかを選択することができる。

9月末の権利確定は今年度がラスト
■JT

JT

株価(単元株数):3703円(100株)
最低投資金額:37万300円
権利確定日:9月末・12月末
配当利回り:2.70%
優待利回り:0.54%

100株以上の保有から、年2回、保有株式数に応じて自社商品の中から選んだ商品がもらえる(写真は昨年度の3000円相当優待商品)。2015年度以降は決算期変更により6月末と12月末が権利確定日。2014年度は9月末と12月末に連続して権利確定となり、お得感がある。

100株の保有で年間2000円分の詰め合わせセット
■キーコーヒー

キーコーヒー

株価(単元株数):1635円(100株)
最低投資金額:16万3500円
権利確定日:3月末・9月末
配当利回り:0.98%
優待利回り:1.22%

100株の保有で、年2回の権利確定ごとに、1000円相当の自社製品を提供する。300〜1000株未満では、3000円相当(写真は2014年3月期末の3000円相当の優待商品)、1000株以上では5000円相当の商品を提供する。また、株主には、同社の情報誌と通販の案内が届く。

お米がもらえる優待株の中では割安
■ティア

ティア

株価(単元株数):1457円(100株)
最低投資金額:14万5700円
権利確定日:9月末
配当利回り:0.69%
優待利回り:---

名古屋を中心とした東海地方で葬儀会館を展開する同社。14年6月に東証1部に上場し、関東および関西地域にも進出中。100株の保有、年1回の権利確定で3kgのお米がもらえる。1000〜3000株未満では5kg、3000株以上では10kgとなっている。

※株価や利回りなどのデータはすべて2014年7月18日が基準。