採用広報解禁が3か月後ろ倒しになることで、スケジュールが大幅に変わる2016年卒の就職活動。選考期間も4か月後ろ倒しになるため、企業サイドもあの手この手で良い人材を確保しようと懸命だ。

 特に、大企業のような宣伝力を持たない中小企業は悪戦苦闘しているという現状がある。大企業ならば一社で何百人も集まる説明会を開くことができるが、ブランド力のない中小企業の説明会は何十社が協同で開催する合同説明会形式が定番化している。

 また、学生「受かる受からないに関わらずまずは有名企業の説明会へ」という意識が強いあまり、合同説明会を開催しても参加学生数が100〜200人程度と低調なこともある。そのため、定期的に経営者や重役が大学に足を運び、中小企業の魅力をプレゼンする機会を設けたりもする。

 そんな状況下、東京の中小企業経営者が集う『東京中小企業家同友会』では『3日間の社長弟子入りプロジェクト』というインターンを行うなど、就活生に中小企業の魅力を知ってもらう機会をなるべく作ろうと尽力している。このプロジェクトでは、実際に学生たちが経営者(社長)に3日間密着し、ビジネスの最前線を肌で体験できるという中小企業ならではの工夫が施されている。

「大企業と違い中小企業は社長との距離が近いことも魅力の一つです。直接社長と話をして問題提起をしたり、解決を探っていくことは、中小企業では珍しいことではありません。このプロジェクトでは社長の営業や対外活動に同行することもできるので、いかにして仕事が生成されていくのか直に体験することができます」(東京中小企業家同友会事務局)

 実際に学生たちからも、「働くということがどういうことかリアルに実感できました」「将来は経営者になりたいので、社長がどういった対外活動をして経営に活かしているのか学べて良かった」といった反響も出ているのだが、それでも中小企業が抱えている現状はまだまだ厳しいものがある。

 先述した合同説明会でいえば、何十社の企業で100人程度の学生を取り合うことも予想され、参加した企業がまんべんなく人材を確保できる保証はない。そのため、参加学生の分母を増やすことが課題となっている。5月13日に行われる東京中小企業家同友会主催の合同企業説明『Jobway』では、「今でしょ!」でおなじみの林修先生による特別講演が開催予定など、学生を振り向かせるために中小企業も力を入れている。

「就職活動はどうしても大企業に応募が殺到します。ですが、採用されるのは本当にごくわずか。ミスマッチなどとも叫ばれていますが、はじめから中小企業にも目を向けてくれれば“就活疲れ”を起こす学生も減るはず。実りある就職活動を送っていただくために、中小企業の存在感を増していくことが大事だと思っています」(同前)