――自分の個性や、課題に感じていることはありますか?

藍井:私は多分、耳が他の人よりちょっと低く聴こえるんですよ。ジャストピッチで聴いていても、ちょっと低く聴こえていて。ギターのチューニングをすると、絶対に半音下げになるんです。しかもピッタリ半音! ピッチは合っていても、その中の細かい部分の下の方、ドでも、シに近いドを歌っている感じで、ヘルツの問題だと思うんですけど。

そうなると、自分ではジャストピッチを歌っているつもりでも、ちょっとマイナー調に聴こえるんですよね。明るい歌を明るく歌おうと思っても、なぜか切なくなってしまうという。実は、藍井エイルの曲の中には可愛い曲もあるんですけど、私が歌うと男の子っぽい要素が出て来たり、ロックになるんですよ(笑)。

何をしてもブレない、絶対的なマイナー感は、私の特徴でもあり、弱点でもあると思うんですけど、太陽のように明るくキラキラした、可愛らしいものは私のイメージから離れているのかなと思っていて。どちらかと言うと、夜だったり、憂いがあって、儚かったり、そういうイメージの持たれ方なのかなと思っています。

――アップテンポかバラードか両極な印象もありますが、中間のミドルテンポはあまり好きではないですか?

藍井: アップテンポの曲って、たまたま多くて。逆にアップテンポを引き立てるためのバラードとなると、BPM80ぐらいまで落ちるものが多くて。でも、BPM 90とか100とか90年代の曲も聴いていたので、実はそんなことも無くて。今回の『ラピスラズリ』は、ミディアムバラードでもハイテンポでもない、初めてなんじゃないかというぐらいのテンポ感なので、すごく新鮮でした。

――3月にリリースされた東京ドームシティでのライブ映像を観させて頂いて、後半の『Daydream』のメジャー感やテンポ感、力み過ぎず肩の力が抜けた雰囲気は、魅力に感じました。

藍井:ありがとうございます! 実は『Daydream』は最初ものすごくポップで、マカロンとかキャンディとかが似合うような可愛い曲だったんですよ(笑)。だけど、デモで歌ってみた瞬間に「あれ?ロックに変わっちゃった」って。ロックにしようとしている訳ではなく、私の中では可愛く歌ったつもりなんですけど、ポップ感が一気に消えるんですよ。多分、声質もあると思うんですけど。

『Daydream』はテンションが上がる曲だと思うので、振り付けがあって、みんなで一つになれたら、より楽しい曲になるんじゃないかなと思って。私はダンスを習ったこともないし、得意でもないので、簡単な振り付けになってしまったんですけど。みんなで一体感をもってやるのって、すごく好きで。明るいポップな曲も、ロックな曲も、バラードも好きですね。