俳優“復帰”の根津甚八が胸中「未練を捨てて、終止符を打てたと思う」。

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2010年に俳優活動から引退した根津甚八(67歳)が、石井隆監督の映画「GONIN サーガ」で復帰することがわかった。復帰は本作のみ、1回だけで、最後の“俳優・根津甚八”を終えた胸中を寄せた。

本作は石井監督作品の中でも絶大な人気を誇り、バイオレンスアクションの傑作として知られる「GONIN」の19年ぶりの新作。根津は前作「GONIN」(1995年)にて汚職で警察をクビになった元刑事・氷頭(ひず)を演じ、ラストでビートたけし演じる京谷の銃弾を受けるが、本作ではそれから19年後、銃弾を受けながらも生死の境をさまよい、植物状態で生きていた“GONIN”最後の一人として登場する。

根津は俳優業を続ける中で体調を崩し、その後、2001年には右眼下直筋肥大の病気で複視を患いながらも活動を続けていたが、映画「るにん」(2004年/奥田瑛二監督)の出演を最後に、役者としての活動を休止した。その後、復帰のためのリハビリとトレーニングを続けていたが、2010年に発行された書籍「根津甚八」の中で、事実上の俳優業の引退を表明。しかし、「“氷頭は生きていた”を糸口にした『GONIN』のその後を根津さんとどうしても撮りたかった」という、監督からの想いのこもったオファーを受け、根津もそれに応える形で本作への出演を決意、映画出演50作目の作品として11年ぶりに映画へ出演する運びとなった。

根津は今回の復帰について、次のようにコメントを寄せている。

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自分自身が志すような演技者であることが、困難になったため、引退を決めたが、今回、石井監督自ら、自宅に来て丁寧に『どうしても手伝ってほしい、根津さんでなければ……』という殺し文句と『出来るか出来ないか脚本を読んで決めてほしい』という熱心な説得で、本をじっくり読んで、これなら、今の自分に出来るという気持ちがわいてきた。

今迄の石井監督へ感謝の気持ちもあり、素直な気持ちで、今一度、自分自身を試してみようと思った!

撮影が始まってからは、久しぶりの撮影現場の空気に気持ちが高揚して、自分はこの仕事が心底好きなんだと改めて感じた。

自分の為の、セット作りも大変だったと思うのに、無理のないようにと細やかな心遣いをして、いただいた。心からの、お礼を言いたい。

全ての撮影が終わった後、若い役者達が車まで追いかけてきてくれた。皆と握手をして、車が見えなくなるまでずっと手を振って見送ってくれたことが忘れられない。そして、完成された作品を見て、素晴らしい役者達に恵まれた映画になったと心から、思えた。

最後に……石井監督でなければ、この仕事は受けなかった。自分を理解してくれ、役者としての自分を最大限に生かしてくれると無条件で信頼できる人。

天が再び機会を与えてくれるものなら、仕事を続けたかった思いももちろんある。でも、監督や共演者を始め、スタッフ全員の支えがあって、やり遂げたことで、未練を捨てて、終止符を打てたと思うし、そう思える機会を与えてくれた方々に深く感謝している。

根津甚八

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また、石井監督も、根津の復帰にコメントを寄せている。

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出逢いは赤テントで間近に見た“根津甚八”で、僕が監督二作目の『月下の蘭』で幸運にもご一緒出来た時には“ハードボイルドが似合うアクションスター根津甚八”だった。

以来、僕の劇に同居するハードボイルドな村木と思索型の村木、僕にとっての“二人の村木”と何本映画を撮ったのか。撮影で落馬して腰を痛めているからとベルトを巻いて現場に出ているのを知っていたのに、ハードなアクションシーンで何度もテストをやるものだから、『石井組は何時もこれだよ、シンドイ』と、あの目で笑いながら、あの声で言われたものだ。