写真提供:マイナビニュース

写真拡大

●「ねんどろいどこ〜で」のきっかけは東京おもちゃショーグッドスマイルカンパニーが開発・販売を手がけるフィギュアシリーズ「ねんどろいど」の新ブランドとなる「ねんどろいどこ〜で」が登場する。

第一弾となるのは、小学低学年女児を中心に人気を集めているタカラトミーアーツのアーケードゲームから人気に火がつき、ユーザー数は100万人、約9カ月で売り上げ約70億円見込み、そしてTVアニメや映画と急成長している『プリパラ』のキャラクターたち。パーツがシンプルになり、着せ替えが可能になったという違いはあれど、そのルックスは従来の「ねんどろいど」の延長にあるように思える。しかし、実は商品開発から販売に至るまで、グッドスマイルカンパニーにとっては新しいチャレンジの連続だったという。

今回は、同社企画部ホビーチーム・プロデューサーのオタナカ氏に、「ねんどろいどこ〜で」が生まれた経緯と開発秘話、今後の展望について伺った。

○きっかけは東京おもちゃショー

――初めて「ねんどろいどこ〜で」の実物を拝見したのですが、すごくかわいいですね。

ありがとうございます! 実は私もそう思っています(笑)。まず何より「ねんどろいど」として可愛いなと。原作である『プリパラ』のデザインが「ねんどろいど」にマッチしていたということだと思います。

――『プリパラ』が「ねんどろいどこ〜で」の第一弾作品となるわけですが、『プリパラ』自体も昨年スタートした新しいコンテンツですよね。いつ頃から話が動き始めたのでしょうか?

昨年6月の「東京おもちゃショー」がきっかけでした。それまでも『プリパラ』の前シリーズ作品となる『プリティーリズム』は知っていたのですが、生まれ変わって『プリパラ』になるんだなというくらいの知識だったんです。それが、「東京おもちゃショー」のタカラトミーアーツさんのブースで筐体やキャラクターを見て、ちょうど新たにチャレンジしたい企画もあり、「これは!」と感じました。

――かなりのスピード感ですね。

本当にそうでしたね。幸い商品化窓口が以前から懇意にさせていただいているタツノコプロさんだったので、話が早かった部分もあります。「ねんどろいど」をご存知だったのも大きかったですね。ウェルカムな反応をいただいて、さっそく告知用の「ねんどろいど」イラストを作成し、2014年夏の「ワンフェス」で発表しました。『プリパラ』自体のスタート時期だったこともあって、お互い最初から足並みを揃えられたのは良かったと思います。

○女児向けという新たな挑戦

――「ねんどろいどこ〜で」と従来の「ねんどろいど」の違いについて教えていただけますか。

「ねんどろいどこ〜で」は「ねんどろいど」と大きさは同じですが、パーツの構成が頭部と上半身、スカート、下半身の4つと、シンプルになっています。その代わり「こ〜で」という名前の通り、パーツを付け替えることで「着せ替え」できるのが特徴です。

――やはりターゲット層としては女児をイメージしているのですか?

そうですね。プリパラの商品化展開としては意識しています。女児向けコンテンツでは、着せ替えはポピュラーな遊び方なんです。「こ〜で」シリーズ同士であれば、自由にパーツの組み換えが可能になっています。ただこれは『プリパラ』に限ったことではなく、今後登場するすべての「ねんどろいどこ〜で」のキャラクターも含まれます。

●「ねんどろいど」をより安くして買いやすくしたい――グッスマの課題――それはすごいですね。しかし、グッドスマイルカンパニーさんといえば、これまでは「ねんどろいど」にしろ、それ以外の商品にしろ、どちらかといえば大人向けだったイメージがあります。

おっしゃる通り、明確に女児向けコンテンツの商品を販売するのはグッドスマイルカンパニーとして初めての試みとなります。

――新規開拓というわけですね。かなり思い切った舵取りにも思えますが……。

そうですね。といっても、女児向けオンリーというわけではないんですよ。『プリパラ』は子供向けですが、大人にもファンができるだろうと予想はしていました。なんといってもキャラクターが可愛いですからね。もっと、ざっくばらんに言うと、私が『プリパラ』に興味を持ったんだから、他の大人も好きになるはず、と(笑)。子供向けコンテンツを大人が楽しむという流れは昔からありますからね。

――つまり、これまでの「ねんどろいど」ファンもターゲットではあると。

そうですね。そういう意味で完全に新規層狙いというわけでもないのです。従来の層に加えて、私たちが今まで持っていなかった新しい層に届けるという2通りのルートを考えています。

それからもう一つ、「ねんどろいど」が少しずつ子供に認知されてきたこともあります。最近になって、「初音ミク」が子供向けに展開されることが増えているのですが、その流れで『ねんどろいど 初音ミク』を子供たちが楽しんでくれていると聞いています。「ねんどろいど」のデザインって、子供も喜んでくれるんだなと感じていたところに今回の話があり、それなら思い切って子供向けにもやってみようと考えました。

○グッスマの課題と玩具の事情

――なるほど。ところで、どうして「ねんどろいどこ〜で」だったのですか? これまで通り「ねんどろいど」で女児向けに発売するというやり方もあったのでは。

いくつか理由があります。まず、グッスマの課題の一つに、「ねんどろいど」をより安くして買いやすくしたいという思いがあったことです。というのも、初期の「ねんどろいど」は3,000円くらいだったのですが、現在は4,000円代が標準です。理由は様々ありますが、現状どんどんクオリティがアップし、付属品も豪華になる傾向にあるため、どうしてもコストが上がっています。しかし、それでは子供向けの玩具としては高いのです。

――たしかに世間の玩具の価格を考えると、4,000円台はけっこう高額かもしれません。

3,000円でもまだまだ高いですね。子供向け玩具に実際にお金を出すのは親です。親の目は非常にシビアで、2,000円台でもまだ高額な部類に入ります。

――「ねんどろいどこ〜で」は2,222円(税別)ですよね。

なんとか2,000円台に設定しました。コスト面との兼ね合いも考えながらの、ギリギリの価格設定でした。

――どの部分でコストカットができたのでしょう?

コストを下げるにはパーツを少なくするのがわかりやすいですね。なので、固定ポーズの「ねんどろいど」を作るのが手っ取り早い。しかし、ただ固定にするだけでは、「ねんどろいど」をグレードダウンさせただけの商品でしかありません。クオリティ自体は絶対に下げたくなかったので、仕様をばっさり変更することにしました。

パーツを減らしてコストを下げながらも、着せ替えの楽しみを加えることで、「ねんどろいど」にはない遊び方を提案できる。「ねんどろいど」の廉価版ではなく、まったく新しいブランドとして展開できるので、従来の「ねんどろいど」ファンにも新鮮な気持ちで楽しんでいただけると思います。

●ホビーと玩具、プロモーションや販路の違い――なるほど。「ねんどろいどこ〜で」ならではのこだわりポイントをもう少し教えていただけますか。

現状ラインナップしている商品で着せ替え的な遊び方ができることはもちろんですが、今後発売されるすべての「ねんどろいどこ〜で」シリーズの商品でパーツ交換ができることですね。そのために各パーツをフォーマット化しなければならず、とても大変でしたが……。

――フォーマット化といいますと?

今後、どんな髪型でどんな服装のキャラクターが出てきても、頭部、上半身、スカート、下半身というパーツを自由に組み合わせられるようにするためには、あらかじめ各パーツの軸の位置や幅などの決まり事を決めておく必要があります。例えば上半身を作るときに、極端に腕を挙げているポーズでは、サイドにボリュームのある髪型のキャラクターが出てきた時、腕と髪が干渉してしまう恐れがある。でも腕を上げるのではなく、前に伸ばすポーズなら、すべての髪型の邪魔をしない。そんな風にポーズのバリエーションなども想定しながら各パーツごとの決まりごとを作っていきました。

――考えただけで気の遠くなるような作業ですね……。

でもそこは、グッスマがこれまでに「ねんどろいど」を500体以上を作ってきたノウハウが生きる部分でした。弊社の制作の人間は、さまざまなポーズや髪型のバリエーションを経験しています。たぶん、世界に存在する髪型はだいたいやったんじゃないかな(笑)。そういう意味では、「ねんどろいど」の集大成とも言えるかもしれませんね。

○ホビーと玩具、似て非なる業界への挑戦

――「ねんどろいどこ〜で」には、そんな産みの苦しみがあったのですね。ところで、女児向けということは、これまでと販路も変わるのでしょうか。

変えていきたいとは思っています。「ねんどろいどこ〜で」は、今まで「ねんどろいど」が買えなかったような、玩具専門店やGMS(総合スーパー)系のショップにも入れていきたいと考えています。

――ホビーと玩具に違いはありますか?

違いはありますね。例えばホビーは予約時期が一番大事ですが、玩具は発売時期をより盛り上げる必要があります。だいたい発売1カ月くらい前から本格的にプロモーションが始まって、発売時期にどれだけ認知を広げられるかが勝負になってきます。これも今までとはまったく違う部分で、ホビーのやり方が通用しないのです。どうやって今までのホビー層以外にわかりやすく情報を伝えていくか、どうやって特設サイトに誘導するかを考えていかないといけませんね。

――その「ねんどろいどこ〜で」の『プリパラ』特設サイトも、これまでとはまったく違ったレイアウトになっていますね。

これも子供向けということで、とにかくわかりやすさを意識して制作しました。ただ、正直言って、商品が市場に出てみないと何とも言えません。これから発売に向けても、より分かりやすさを意識したプロモーションを行っていきたいと思っています。

――「ねんどろいどこ〜で」に関する今後の展開はいかがですか?

まずは『プリパラ』を全力で展開していきます。『プリパラ』のようなコンテンツはげアニメの放送期間も長く続きますので、「ねんどろいどこ〜で」も、アニメやゲームと同じく息の長いコンテンツになってくれるといいなと思います。「ねんどろいどこ〜で」には、ゲーム内で使える「オリジナルスペシャルトモチケ」も付属しますし、「ねんどろいどこ〜で」をモチーフにしたアゲアゲアイテムがゲーム内に登場するというコラボも行っています。プリパラのコンテンツとも協力しながら、良い商品に育てていきたいですね。

新ブランド「ねんどろいどこ〜で」を引っさげて、子供向け玩具業界へ参入したグッドスマイルカンパニー。挑戦者としての新たな戦いが始まる。

「ねんどろいどこ〜で」の第1弾『ねんどろいどこ〜で 真中らぁら キューティーリボンコーデ』と『トゥインクルリボンサイリウムコーデ』は2015年6月、第2弾『ねんどろいどこ〜で 南みれぃ キャンディアラモードサイリウムコーデ』と『マジカルピエロコーデ』は2015年7月、『ねんどろいどこ〜で 北条そふぃ ホリックトリックサイリウムコーデ』と『ホワイトスワンコーデ』は2015年8月に発売予定。なお、『ねんどろいどこ〜で 北条そふぃ ホリックトリックサイリウムコーデ』と『ホワイトスワンコーデ』は、「GOOD SMILE ONLINESHOP」でも予約を受け付けており、4月22日21:00締切。

(C)T-ARTS/syn Sophia/テレビ東京/PP製作委員会

(山田井ユウキ)