ローソンがさらに飛躍するための戦略は何か

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 コンビニエンスストア業界では、全店売上高で業界2位と約1兆円もの差をつけてセブン-イレブンが圧勝している。理由は商品開発力だが、2014年に高級スーパーの成城石井を買ったローソンなら、セブン-イレブンの牙城を崩す可能性はあると大前研一氏は分析している。

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 成城石井には、ワイン、ハム、ソーセージ、弁当、惣菜などにユニークな商品がたくさんある。紀ノ国屋やナショナル麻布に行かないと手に入らなかったような商品も置いてあるので、私の妻も頻繁に近所の成城石井を利用している。

 また、最近は成城石井の一部の店舗前に、よく中国人観光客を乗せたバスが停車している。昼食用の弁当や惣菜、飲み物を買い、それをバスの中で食べているのだ。レストランに立ち寄る時間とコストを節約しているわけだが、旅行会社やガイドが成城石井の弁当・惣菜は美味しいということを知っているから、わざわざやってくるのだろう。いまコンビニに問われているのは、そういう商品開発力だと思う。

 したがって、私がローソンの社長なら、ローソンの中に成城石井の売れ筋商品100アイテムくらいを並べた「ショップ・イン・ショップ」を作るだろう。そうすれば特色が出てセブン-イレブンのオリジナル商品やプライベートブランド(PB)商品に対抗できるし、高級スーパーだということが消費者に認知されていて値段が取れるから、客単価も平均日販も上がると思うのだ。

 また、消費者の期待値はローソンより成城石井のほうが圧倒的に高いが、成城石井はドリンク類やお菓子なども含めたすべての商品単価が総じて少々高い。だから、ショップ・イン・ショップにすれば、ローソンで成城石井の「ちょい高」オリジナル商品と低価格のナショナルブランド(NB)商品が一緒に買えるメリットが生まれる。

 その逆に、ローソンがやってはいけないのは、成城石井のノウハウを導入した商品を大量生産してローソンで安く売り、成城石井の高級イメージを崩してしまうことである。

 それ以外の方法としては、もっと生鮮食料品を充実させてもよいのではないか。すでに野菜や果物は販売しているが、精肉や刺身も取り扱うようになったら、コンビニの様相は一変すると思う。コンビニは1日3回のデリバリーがあるのだから、やろうと思えばできないことはないはずだ。

※週刊ポスト2015年4月24日号