前代未聞!セリフも字幕もない映画『ザ・トライブ』|耳の聴こえない少年少女の青春を描く

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4月公開予定の映画、『ザ・トライブ』は、カンヌ国際映画祭批評家週間で3冠を受賞した作品で、セリフも字幕もなければ、ナレーションやBGMさえない異色の衝撃作。

耳の聴こえない少年少女の青春を描いたもので、性的な描写や暴力シーンなど過激な内容も含まれている。音のないギャング映画とも形容され、出演しているのは、実際にろうあ(耳に不自由のある)の役者達だ。

静寂の中にある
暴力と愛

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耳が不自由な青年セルゲイは聾学校に入学する。一見、普通の寄宿学校ではあるが、裏には麻薬、売春などを生業にしている暴力組織「トライブ(族)」が存在していた。ある日、組織のリーダーから数人を相手にした殴り合いを強要されるが、そこで意外な屈強さを示したことで、グループへと引き込まれることに。

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ドラッグの密売や、売春の送迎役をしていたセルゲイだったが、次第にリーダーの愛人であるアナを愛するようになる。ウクライナを離れてイタリアでの生活を夢見る彼女にとってはお金が全てだったが、セルゲイの想いに触れることで、徐々に心の中で葛藤が大きくなっていく・・・。

出演者はすべて、ろうあ者

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アナを演じたヤナ・ノヴィコヴァを含め、出演者全員がろうあ者で構成されている。作品中に描かれているバイオレンスシーンには、言葉や叫び声などがない。生身の人間がぶつかり合う音だけの暴力シーンはかえって生々しく、強烈だ。

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ミロスラヴ・スラボシュピツキー監督はこう語っている。

「これは私の学生時代の想い出と、ろうあの代表者達が語ってくれたことに基づいてつくられたものだ。彼らのコミュニケーションの取り方や、ジェスチャー、喧嘩の仕方に惹きつけられた。ボディランゲージで感情や心情を実現していた。それが吹き替えなし、字幕なしで映画にしたいと思った理由だ。この映画をけっして声の出る俳優達でつくろうとは思わなかった。それでは全く違うものになってしまっていただろう。私たちは発音に必要な顔の筋肉しか使わないが、彼らは体全部を使う。それが自然なんだ」

主演女優
「ヤナ・ノヴィコヴァ」

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ヤナは幼い頃から女優を夢見ており、キエフ・シアター・アカデミーのオーディションでこの映画のミロスラヴ・シュラボツピツキー監督の目にとまった。当初は、過激なシーンがあることも知らなかったという。

「私はこれまでに演技経験もヌードの経験もありませんでしたし、何より、脚本にも書かれていないことだったので最初は断りました。しかし、その後、監督と監督の奥さんと演出について話し合い、裸になることやセックスを演じることがくだらないポルノではなく、映画にとってきちんとしたメッセージを伝えるうえで重要な演出だと説明がありました。それに、私はろうあの役者が耳の聞こえる役者と同じように演じることができるってみんなに証明したかった。それで、私は勇気を持って演じることを決めました」

主演男優
「グレゴリー・フェセンコ」

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元々ストリートカルチャーにとても強い関心を持っていて、実際にパルクール(アクロバティックに街を走るフリーランナー)のプレイヤーであり、ルーファー(吊り橋や鉄塔など、危険な高所に身一つで昇る行為を楽しむ人)でもある。

撮影期間中は、ストリートの仲間達との接触を絶ち、アルコールを飲むことや、抗議デモへの参加を厳しく禁じられていた。後からわかったことだが、それらの禁止令は再三にわたり破られていたそうだ。

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個性的な若い俳優によって描写された、あまりにもピュアで、パワフルな作品。刺激が強いこともあり、評価は賛否両論だ。映画の終盤で席を立ってしまう人も多かったという。

『ザ・トライブ』は4/18(土)より順次全国公開。都心では渋谷ユーロスペース、新宿シネマカリテなどで公開が予定されている。国内でも様々な議論を呼ぶことになりそうだ。

Licensed material used with permission by © GARMATA FILM PRODUCTION LLC, 2014
© UKRAINIAN STATE FILM AGENCY, 2014
配給:彩プロ/ミモザフィルムズ