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4月から大学で教鞭を取らせて頂いている。その昔、自分が教わる側だった時は、授業に出席する際に予習などはしなかったと思う。それが、自分が教える側になると教科ごとに事前準備をして臨まないといけない。教鞭をとるというのはこれほど大変なことだったのかと、今になって恩師の顔を思い出し改めて感謝する。自分でやってみて初めて気が付くことというのは何かと多い。

○「知らない」ことに気づくこと

ところで、先日、広島空港でアシアナ航空機による着陸事故があった。航空機の事故が起こるとニュース番組には航空評論家が出演し、事故原因など分析する。専門家の解説を聞くと、まだまだ世の中には私の知らないことが多いのだと感じる。そもそも航空機がどういう原理で飛ぶのか。どうやって着陸するのか。パイロットと管制官はどういうやりとりを日々行うのか。

私が航空機を将来操縦することは100%ないので、こうした情報は知らなければ知らないで済む。自分の日常生活には何ら困らない。だから、専門家が解説するような、彼らにとってはごく当たり前の知識や経験であっても、当事者ではない我々にとっては知らないことさえ知らないことが多い。実際にはほとんどがそうした情報なのだろう。

そういえば、大手ファーストフードチェーンが不祥事を起こし、消費者から厳しい意見が寄せられた。これはは当然のことである。もっとも、消費者に混じり厳しいコメントを寄せる専門家の中には、ひょっとして彼らは実情を知らないのではないかと思うような意見もあった。例えば「鶏肉は国産を使うべきだ」という意見だ。そのチェーンが消費する年間の鶏肉の量と日本の国内総消費量を比較すれば、安易には国内調達するべきとは言えない。決して無理とは言わないが、他の中小チェーンとは消費規模が異なる。仮に市場調達などしたら需給バランスが崩れ価格急騰を招きかねない。

何でもただやってみれば良いというわけではない。一方で、やってみなければわからないことは確かに存在する。知らないというのは決して悪いことではないが、知らないことは知らないことだと、まずは気がつくとよい。そしてできることならば、自分自身が一度でもチャレンジして経験してみるといいのだ。特に若いうちには。

<著者プロフィール>片岡英彦1970年9月6日 東京生まれ神奈川育ち。京都大学卒業後、日本テレビ入社。報道記者、宣伝プロデューサーを経て、2001年アップルコンピュータ株式会社のコミュニケーションマネージャーに。後に、MTVジャパン広報部長、日本マクドナルドマーケティングPR部長、株式会社ミクシィのエグゼクティブプロデューサーを経て、2011年「片岡英彦事務所」を設立。(現 株式会社東京片岡英彦事務所 代表取締役)主に企業の戦略PR、マーケティング支援の他「日本を明るくする」プロジェクトに参加。2011年から国際NGO「世界の医療団」の広報責任者を務める。2013年、一般社団法人日本アドボカシー協会を設立代表理事就任。