シリア、アフガニスタン、シンガポール、カンボジアと同組になった2次予選は勝って当たり前。1位通過でなければ意味はない。(C)Reuters/AFLO

写真拡大 (全2枚)

 ロシア・ワールドカップのアジア2次予選の組分けが決まったね。グループEに入った日本は、シリア、アフガニスタン、シンガポール、カンボジアと同組になった。
 
 他のグループを見てもそうだけど、2次予選はいわば“消化リーグ”だ。各グループの1位と2位を予想すれば、だいたいみんな当てられるんじゃないかな。それだけ実力差がはっきりしている。サプライズなんてないだろうね。
 
 改めて感じるのは、これがアジアのレベルということ。各グループから突破が予想される2か国を除いたら、世界に対抗できる国は皆無と言っていい。競争原理の乏しさを感じるよ。
 
 2次予選の段階でスリルはない。勝って当たり前。1位で予選を突破できなければ、なんの意味もない。
 
 だから錯覚しないでほしいね。「○○に10点差で大勝!」とか「○○が大量ゴール!」とか、そうした報道は控え目にするべきだ。ここでの結果や内容は、最終予選に向けてほとんど判断材料にはならないし、合格も不合格もない。
 
 極論すれば、あの選手が必要だとか、システムはどうだとかも関係ない。ベストメンバーでなくても十分勝てるはずだし、ここで戦術的な部分を詰めてチームを作り、それを持って最終予選に臨むのは、逆に危ないんじゃないかな。
 
 はっきり言って、2次予選でチームのレベルアップは期待できない。だから、世界というフィールドで考えた場合、アジアは大変なんだ。この段階で圧勝してしまうと、強くなったと勘違いする危険性がある。そうならないように気を付けてほしいね。
 
 ハリルホジッチ監督は組分けの結果を受けて、「良いグループに入った」と言っていたけど、グループHで同居したウズベキスタン、バーレーン、北朝鮮は別にしても、シードされた国の監督はみんな同じことを言っているはずだよ。
 そのハリルホジッチ監督が先日、Jリーグの合同実行委員会に出席したようだね。報道によれば、レフェリーの判定基準や、選手たちの球際の勝負弱さなど、いろいろと“注文”をつけたようだけど、こうした行動からも、彼は日本のサッカーについてまだまだ知らないことが多くて、一生懸命に勉強している姿が見て取れるね。
 
 現役の代表監督がこの委員会に出席したのは初めてのことだったらしいけど、今回の件は代表監督に与えられている仕事の管轄外のような気がしてならない。例えるなら、プロ野球の名球会の人がチームのキャンプに出向いて、いきなり選手にバッティングを教えるようなものじゃないかな。
 
 マスコミに乗せられやすいタイプかもしれない。なにかひとつアクションすれば、どんどん取り上げてくれる。だから、ますますその行動に拍車がかかる。
 
 そもそも、代表監督がジャッジや球際について言及するのは変な話だよね。代表選手の体脂肪についても厳しい物言いをしたようだけど、各クラブも当然、管理しているはずだし、それをいきなりあの場所で公表されるのは心外でしょ。スポーツジムでもやっているくらい、珍しいことではないよ。そこまでいろんなことに首を突っ込みたいなら、専務理事と一緒にTV局に行って、試合の解説でもやればいいんだ。
 
 本来は他の誰かに託されている仕事を、ハリルホジッチ監督が全部やってしまっている印象がある。すべてを掌握したい性格なのかもしれないけど、仕事を取られた人はどうするの? もしかしたら、日本サッカー界を仕切っている人たちのなかに目ぼしい人間がいないと判断して、「それなら自分が」と名乗りを挙げているのかもしれない。
 
 邪推すれば、自分はなんでも知っているんだと、日本サッカーのレベルをかなり見下しているのだろう。マスコミにとって面白い監督だとは思うけど、まだグラウンドの上でなにも成し遂げていない今の時点で持ち上げすぎるのは得策ではない。彼を勘違いさせるだけだよ。