「書店ガールを書店員がみる」(画像はイメージ)

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新ドラマ「戦う!書店ガール」(関西テレビ・フジテレビ系)の放送が、2015年4月14日からスタートした。主演のひとりがAKB48の渡辺麻友さん(21)だという話題性もあり注目を集めていたが、ネット上では早くも「実際の書店員」を名乗る人物らから「ツッコミの嵐」が巻き起こってしまったようだ。

設定のリアルさを巡りツイッター上で議論が交わされ、大きな盛り上がりを見せている。

「バックルームにいる時間が長くない?」

「戦う!書店ガール」は作家・碧野圭(あおの・けい)さんの小説「書店ガール」シリーズを原作にした作品で、「まゆゆ」ことAKB48の渡辺さんと女優の稲森いずみさん(43)が主演を務める。東京・吉祥寺の書店「ペガサス書房」を舞台に、2人の女性が衝突しながらも仕事や恋愛の困難を乗り越えていくというストーリーだ。作中では、同店副店長の理子(稲森さん)と文具会社社長の孫で同店へ異動してきたばかりの書店員、亜紀(渡辺さん)は立場の違いなどを理由にぶつかり合う。だが、後に2人は呉越同舟で書店のピンチに立ち向かう。

ドラマが始まると、ツイッターに「#書店ガールを書店員がみる」というハッシュタグが登場。現役書店員や元書店員を名乗るユーザーが、次々ツッコミを加えていった。

と言っても、その大半はドラマで描かれた書店員の仕事内容に関するものだ。現実とかけ離れているのか、「夢書店ですね」などと呆れる声もチラホラ。

とりわけ、開店前やイベント時の過ごし方についての指摘が多く目についた。

開店前、書店員が集まり会議室でミーティングを行う場面には、「バックルームにいる時間が長くない?座って話す時間なんぞ私達にはない!」と厳しい声。開店前に書店員が笑顔でゆったり仕事する場面には、「雑誌の付録付けして下さい!掃除してくださいwww」「(朝は)品出し終わっても発注、フェア展開、返本があるから忙しい」との声も寄せられた。

また、店舗での握手会の準備に書店員が一致団結して取り組むシーンには「品出しはだれがやるの?新刊は毎日届きますよ?」という疑問も出た。

文藝春秋(東京都千代田区)の運営するウェブサイト「本の話WEB」で14年10月5日に公開された記事「10人の書店員に聞く〈書店の謎〉 『こんな仕事、なかったらいいのに... 書店員が本当はやりたくないこと告白します』」では確かに、現役書店員が返品作業や雑誌の付録付けを「嫌な仕事」に挙げていた。これらの仕事は、今回の放送を見る限り登場していない。

なお、2015年4月14日付けスポーツニッポン電子版によると、14日午後、ドラマのロケ地となった「ジュンク堂書店 吉祥寺店」を訪れた渡辺さんはシュリンク作業に挑戦し、「書店員さんが手作業でやっていたんですか?知らなかった」と語ったという。

「たいていの『リアル』は地味でつまらない」

一方、こうした「書店員の声」に疑問を抱く人々もいる。

「書店あるあるネタドラマでも作って自分らだけで楽しめばいいじゃん」
「たいていの『リアル』は地味でつまらないものなのだろうな」
「本屋って楽しそうだなって思ってもらえるならそれでいいんじゃないかな」

といずれもドラマは「フィクション」として楽しむべき、という立場だ。

さらに、書店員を名乗る一部のツイッターユーザーは、「かなり頑張って取材していると思います。絵的に無理&こうせざるをえない、というのはあると思うしね」とドラマの内容を高く評価した。

以前より渡辺さんの女優活動に期待を寄せていた漫画家・評論家の小林よしのりさんも、4月15日のブログで「書店というから地味な話かと思ったが、なんという面白さ!」「『本』への愛情が炸裂した」と激賞している。

500字ほどの文章に「まゆゆ」というワードを9回使用し、渡辺さんの演技を「これでアイドルを一歩超えた」と褒めちぎった。加えて、ドラマの内容へも「今季のドラマを一応チェックしているが、今のところ、『戦う!書店ガール』が一番だな」と賛辞を惜しまない。

ともあれ、1話から話題を呼んだ「戦う!書店ガール」。初回の平均視聴率は6.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)とやや出遅れたが、今後の「戦い」ぶりが注目される。