上重アナを気づかう加藤、スイーツ真壁…『スッキリ!!』の空気感がヘンすぎる
 いまや何かと話題の『スッキリ!!』(日本テレビ系、月〜金8:00〜10:25)ですが、4月9日の放送回では最早わびしさの境地に達していました。高級外車やタワーマンションはともかく、テレビマンたるもの名物コーナーの面白味を消してしまってはいけません。

(注:『スッキリ!!』司会の上重聡アナが、スポンサー企業である「ABCマート」創業者から、1億7000万円を無利子で借りてタワーマンションを買ったり、ベントレーも無償で借りていたことを『週刊文春』4/16号が報じた)

◆スイーツ真壁のキャラが台無しに

 しかし新コーナー「パートのエース」がお蔵入りになったからでしょうか、上重聡アナがスイーツ真壁の「うまいッス」(プロレスラー真壁刀義が、全国のスイーツを紹介するコーナー)にねじ込まれていたのです。これが完全なる悪手でした。クイズ形式でごまかしてはいたものの、上重を気づかう真壁の常識人ぶりだけが際立つ結果に。

 オラオラ系の見た目とはちがって神経の細やかな真壁刀義と、そのわずかな仕草や言葉尻から笑いを広げる青木源太アナの聡明さで成り立つ「うまいッス」。真壁がスベリ気味になっても、青木アナが助け舟を出す。その信頼感と駆け引きの妙味は、一朝一夕にはいきません。

 高級外車やタワーマンションは別にしても、引き算の話術をまったく持ち合わせていない上重アナには荷が重い現場でした。

◆宇野常寛先生は早口で我が道をゆく

 それだけでは終わりません。さらなる不幸が木曜日の新コメンテーター「愛嬌のないバカリズム」こと宇野常寛(評論家)。彼が『ニッポンのジレンマ』のノリそのままに“鋭い切り口の若手論客プレイ”を披露してしまったのです。

 お題は観光業による地方創世。対戦相手は経営コンサルタントの坂口孝則。坂口氏が願望込みのポジティブコメントを発したところで、ゴングが鳴らされました。

「いやぁ〜、そんな官僚的な発想でやったってダメなんですよぉ。僕ら若い世代にはもっといいアイデアがありますからぁ。たとえばAKB……」

 相変わらずの早口なので正確な内容は聞き取れませんでしたが、人の神経を逆なでするようにしゃくりあげる語尾は健在。隣に座る松嶋尚美の表情が曇ります。「こいつ朝からなんやねん?」とでも言いたげに顔がこわばる。

 総合MCの加藤浩次もいまだに宇野さんの扱いに困っている様子。それでも明らかにシャレの通じない人種であることは把握した感じ。

 以前「馬鹿と思われたら終わりの商売をしている」(Eテレ『“ノンポリのオタク”が日本を変える時〜怒れる批評家・宇野常寛〜』より)との名言を残した宇野さんですが、終わりはすぐそこまで来ているのかもしれません。

◆おおたわ先生のさびしげな愛想笑い

 こうしてボロボロだった4月9日の『スッキリ!!』。この日も加藤浩次の上重イジリが随所で見られました。女性ファッションを扱ったコーナーでは「お前、いまイメージ上げようと必死だもんな」とからかい、エンディングでも念を押すようにソフトにおちょくる。笑いに変えてどうにかなる問題ではないはずですが、それでも加藤の優しさは伝わってきました。

 そんな中、一連の様子をひときわ悲しげに見つめる女性が一人。おおたわ史絵(内科医)。リニューアル前からレギュラーコメンテーターを務めてきた彼女の目は、弱々しく力を失っていました。

 宇野さんがまくしたてると、「常寛、あなた少し疲れてるのよ」といった具合にそっと覗き込む。上重を孤立させまいとする加藤の献身には、その健気さに共感しつつも報われないことを知ってかさびしく愛想笑いをするのみ。

 そこにはかつてマツコ・デラックスから「ティナ・ターナーみたい」と評された姿はありませんでした。いつも10時10分の角度をキープしていた眉も、その日は8時20分に。明らかな燃料切れ。おおたわ先生をここまで追い込んだ『スッキリ!!』に次なる手はあるのでしょうか。

<TEXT/沢渡風太>