歴史的な猛チャージを見せたジャスティン・トーマス【写真:Getty Images】

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トーマスが驚異の“真横打ち”バーディーから猛チャージ、大会新「63」で一躍V圏内

 連日、熱戦が繰り広げられている男子ゴルフの全米オープン。17日(日本時間18日)に行われた3日目、ファンも唖然とした「そっぽ向きパット」からバーディーが生まれ、熱狂を呼んでいる。傾斜の上段からカップに対して真横に打ち出したボールが急速にスライスしてカップに吸い込まれた仰天シーンを大会公式ツイッターが動画付きで紹介。ファンから「魔法のようだ」「パットオブザイヤー」と絶賛の嵐となった。

 世界の熱視線をクギ付けにしたのは、猛チャージを見せたジャスティン・トーマス(米国)だ。

 5番パー4。2打目をグリーンからわずかにこぼれたピン横6メートルの位置につけ、バーディーチャンスとなった。しかし、これが傾斜の上部から急激に下る難解なスライスライン。打ち間違えば大きくオーバーし、一転して3パットの可能性も生まれる状況となった。

 ここで、トーマスは驚きの構えを見せる。おもむろにカップに対して正対して向き合って構え、そのまま真横に打ち出したのだ。

 慎重に打ち出されたボールだったが、1メートルほど転がると傾斜の下りに入り、急速に右方向へ軌道が変わった。すると、コロコロと勢いを増しながら、カップの方向に向かって転がっていくと、観衆もざわめき立った。すでに打ち終えたパターを下ろし、直立したトーマスに見守られたボールは、やがて吸い込まれるようにしてカップに消えた。

 渾身のバーディーパットが決まると、トーマスは力強くガッツポーズを2度披露。熱狂したファンの大歓声を浴び、右手で応えてみせた。

 信じられない軌道を描いたパットに大会公式ツイッターもラウンド中に「グリーンの外、ホール側を向かないパット、この日三度目のバーディー。ナイスだ、ジャスティン・トーマス」と速報。動画付きで紹介し、ファンから次々と驚嘆の声が上がっている。

「彼はホールと確かに向き合った」「ただただアメージング」「非現実的プレー」

「彼はホールと確かに向き合ったと主張したい」

「なんて偉大なパット」

「こいつはクレイジー」

「パットオブザイヤー!」

 さらにPGAの公式ツイッターも「他の選手とはコースの見え方が違う選手が何人か」と記し、同様に動画付きで速報。唖然としたファンからコメントが相次いだ。

「キャディーがこう打てと言ったのさ…」

「ただただアメージング!」

「魔法みたいだ」

「非現実的プレー」

「人間離れしている」

 直前の4番パー4でボギーを叩いていたトーマスだったが、3つ目のバーディーで火がつくとと、7番から3連続バーディーを奪取。後半に入ってもパットが冴えわたり、なんと1イーグル、9バーディー、2ボギーの「63」の大会レコードをマークした。24位から2位タイに浮上するジャンプアップで首位に1打差。一躍、優勝圏内に割って入った。

「そっぽ向きパット」で歴史的な猛チャージを見せたトーマス。18日の最終日ではさらなる躍進を見せ、優勝を飾ることができるのか。魔法のようなパットさばきに注目が集まる。